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 震災についてのニュースも落ち着いてきたので,一般的な日本についての英語報道に関するボクの感想に戻ります。

  日本についてよく使われる批判的な形容詞の一つに ( insular =閉鎖的な、島国根性の、) がある。 たとえば日本経済の活性化策を論じるなかで、「日本は歴史的、文化的な insularityを捨て、積極的に外国人労働者を受け入れるべきだ。」というような文脈で使われる。

 この結論に依存はない。できる限り、世界中からあらゆる人たちを受け入れればよいと思う。

 しかし「歴史的、文化的な insularity 」の部分。つまり、歴史的、文化的という言い方は、日本人は本能的にガイコクジンを排斥している、という意味になる。これには反論したい。

  誤解されることを承知でものすごく簡単に言うと,西暦1500年から2000年はヨーロッパ人がアジア、アフリカ、南北アメリカ、そしてオセアニアを征服する過程の歴史である。だから現在の欧米やオセアニア諸国は広大な国土と豊かな資源を享受している。こうした国々が移民の受け入れに寛大なのは広い国土というのも一因になっていると思う。

 日本の移民受け入れが欧米とは比べものにならないほど厳しいのは、国土の狭さ、という絶対的な条件を無視できない。移民の受け入れが比較的寛大なオーストラリアも、日本と同じく国土が狭かったら果たしてどうだろう?

 たとえばオーストラリア全人口2100万人が、タスマニア島(オーストラリア南東部の島)に移住すると人口密度は現在の日本とほぼ同じくらいになる。人口過密のタスマニア島でも現在の移民政策を保持できるだろか?

 英語圏のジャーナリストによる日本の移民受け入れ策批判は、親譲りの大邸宅に住んでいる大富豪が、サラリーマンがあくせく働いて建てた家を見て、「見ろ、連中の家には客間もない。おもてなしの心、というものがないからだ。」と言っているのと同じことだ。

2011.05.02 UP

「雨ニモマケズ」

  そろそろ震災以外の記事にも触れたいのだが、英文誌の日本関連の記事は依然として震災報道に集中している。という訳で、今週も震災です。

 渡辺謙の朗読でクローズアップされた宮澤賢治の「雨ニモマケズ」は「エコノミスト」誌にも引用されている。(Be not defeated by the rain.)

 日本人の震災後の我慢強さに敬意を表しているが、同時にこの我慢強さが仇となる懸念も加えている。「国民が官僚や政治家に不満を示すことを我慢し、結果として日本が再出発するのに不可欠な改革や論争が,中途半端に終わってしまうのでは?」というのがその内容だ。

 しかしエコノミストの「心配」は無用。そこまで日本人は我慢強くない。

先日の統一地方選で民主党が惨敗したり、政府の対応に不満が続出しているのは周知の通りだ。 さらには、この発言に非難が集まった。

自民党時代に原発推進派の中心的な役割を果たしてきた与謝野馨経済財政担当相が、その責任を問われ、「その時その時の最善の判断をしてきた。謝罪する必要はない。」と答えたのだ。つまり、政治家は最善の努力をすれば結果責任は問われるべきではない、ということだ。

枝野官房長官がこの発言を受けて「不快感」を表明したそうだが、それでは不十分。首相である菅さん自身が与謝野発言を糾弾すべきだったのだ。それなのに何もアクションを起こさない菅さん。これでは、首相自身が、政治家は結果責任を負わなくてもよいと考えている、と思われても仕方ないだろう。

 何を隠そう、ボクは少なくともバブル以後、〇〇大臣と名のついた人の中でまともに働いたのは一人しかいないと思っている。それは、血液製剤からHIVに感染してしまった血友病患者の人権と生活を守るため、厚生官僚と戦った15年前の厚生大臣・菅直人だ。

だから総理大臣となった時には心が躍った。その後も、たとえ成果が上がらなくてもどんなに期待外れでも、ずっと支持してきた。

  今、菅さんは、民主党内から「菅おろし」の強風を吹きつけられ、「ドン菅」「菅ちがい」など悪口の大雨にさらされている。でもそんな菅さんでも信じたい。

「雨ニモマケズ」。

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