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  5月29日のTOEICで、1年2か月ぶりで文法の問題を間違ってしまった。今日は予定を変更してその報告。世が世なれば切腹してお詫びしなければならない。

  英語の文法で何が難しいといって、可算名詞と不可算名詞の正しい区別と、それに関連し冠詞の正しい用法ほどややこしいものはない。あまりに難しすぎて、TOEICではほとんど出ないのだが、今回は出た。 それもいやらしいことにいつもは比較的簡単な問題が多い初めのほうで出題された。

  その問題では「ものごとが進展する、進捗する」という意味の熟語を以下の2つから選ばなければならない。(実際にはあと2つのダミーの選択肢がある)

1: to make advances

2: to make advance

ボクの直観、ボクの目、耳、口、手は断固として 1の advances が正解、と叫んでいた。 つまり、目で追ってみても、無声でつぶやいてみても、その想像上の音を聞いてみても、手で想像上の紙に書いてみても、 to make advances のほうが自然に感じられたのだ。

そこで advances のほうをマークしようとしたのだが、いきなりボクの脳みそが次のような悪魔のささやきを発したのだ。

 「感覚的には advances のような気がするが、論理的に考えてみれば、進展や進捗が一個、二個、と数えられるはずはない。TOEICはごく初級のビジネスリテラシーのテストだ。常識的かつ論理的に考えれば正解にたどり着くようにできている。ここはボクの直観が間違っているのだろう。」

そして 2: to make advance  を選んでしまったのだ。

 テストが終了して試験官が解散を宣言するや否や電子辞書を取出しチェックしてみた。正解は advances だった。目の前が真っ暗になった。

ボクがTOEICで失点するのはいつもこのパターンだ。感覚では正解を選んでいながら、脳みそが「TOEICのレベルは・・・」などと屁理屈をこね、その誘惑にのってしまう。

だあああああっ!

  現在、ニューヨークにはトヨタのレクサスのハイブリッドモデルを使ってタクシー業を営んでいる運転手がいる。たった6人だけだが。

大衆車が大半を占めるイエローキャブ市場で、最先端の高級車を使っているのだから当然目立つ。 “I sort of feel like a celebrity.”(なんか有名人になった気分)、とそのうちの一人は言う。

 ところがニューヨーク市当局は、次期タクシー用車は日産のNV2002のみを採用すると発表した。ニューヨークでは、現在9社16車種がタクシー(イエローキャブとして有名)用として認められているが、これを1車種に統一して、2013年から順次入れ替えるというのだ。(ちなみに日産のNV2002が採用されたのは燃費や信頼性などの観点から)。

 この決定に6人のレクサスキャブドライバーは「レクサスのセレブリティ気分が味あえなくなって残念」とニューヨークタイムズに述べている。

  ボクには免許がない。英語を独学していたころ、更新費用が出せず失効させてしまった。だからレクサスにもNV2002にも興味はない。興味があるのは、両車とも日本車なのにニューヨークタイムズの記事には“Japan” の“J ”の字も出てこないことだ。

ニューヨークタイムズだけではない。ボクが調べた限り、主要メディアの記事で、アメリカ最大の都市の未来の顔として外国の車が選ばれた、ということに注目しているものはない。 「どこの国のものだろうが、良いものはよい」というアメリカ人のふところの深さを見せつけられたように思える。

 こんな話を聞くたび、思い出すことがある。2001年、タフィ・ローズというアメリカ人バッターがパリーグでホームランを打ちまくり、シーズン終盤にはもう少しで王貞治氏が持つ年間日本記録55本を破るところまでいく。この時、王監督率いる福岡ダイエーホークスは、ガイジンに神聖な日本記録を破らせるわけにはいかない、とばかりに徹底した敬遠攻めに出たのだ。かっこ悪いにもほどがある。

  奇しくもまったく同じ年、アメリカに鈴木一朗という無名の新人がやってきてヒットを打ちまくり、もう少しで伝説の名選手”シューレス”ジョー・ジャクソンが持つ新人最多安打記録を更新するところまでいく。この時、アメリカ人投手たちは、この若者の目の色、肌の色、まして国籍などには一顧だにせず、正々堂々と正面から戦いを挑んだ。そしてイチローは記録をつくる。イチローもクールだったが、ボクはアメリカ人投手たちの男っぷりにあこがれた。

 United States of America  この国にはひどいところも確かにある。だが、まだまだ我々が見習うべきところもたくさんある。

 

追伸最近お気に入りのCMがある。漫画家の井上雄彦が出演しているカップヌードルのCMだ。とくにセリフが最高。「強い者などいない。強くなろうとする者。いるのはそれだけ。」 ちょっといじれば英語を勉強するうえでよい標語となる。

「英語のボキャブラリーに強い人間などいない。新しいことばを覚えたい人間。いるのはそれだけ。」

 外国のメディアは、概して日本の政治家の震災後の対応に相当辛い点数をつけている。それは日本のマスコミとそれほど変わらないのだが、違うのは野党や民主党内の反政府勢力に対して特に厳しい視点を持っているところ。

 たとえばエコノミストの今週号では、管下ろしに熱中する鳩山前首相と自民党がやり玉にあげられている。 鳩山氏については、自身が an abysmal prime minister (救いようのないほど無能な首相)だったことなど、まるでなかったように管内閣へのクーデターに熱中していると指摘する。しかもこの非常時に。全くそのとおりだ。

 自民党については、この党が2009年まで半世紀にわたり政権を握っていたこと、したがって原子力産業における手ぬるい安全基準に重大な責任を負っていること ( bears a large share of the responsibility for lax safety standards in the nuclear-power industry ) を指摘したうえで、この過去がまるで無かったように、問責決議案やら管首相早期退陣やらを画策しているのはどういうことだ?!とエコノミストは言う。全くそのとおりだ。

 鳩山氏についてはどーでもいー。所詮終わった人。 問題は自民党。外国のメディアが指摘している、この政党の過去の行政に関する責任を、自民党の政治家たちがしっかり認識し、謝罪すべきは謝罪するところからやり直すことだ。そうしたら彼らの現政権に対する批判は格段に説得力を増すだろう。

 だがそれは無理だろう。現在の自民党の屋台骨を支えているのは2世議員たち。彼らが自民党の過去の非を認めるということは父親の不徳を認めることになる。万一本人に謝罪する気があったとしても後援会が許すまい。だから、結局自民党は、過去を棚に上げるしかないだろうね。

 ボクは、自民党一党支配時代は暗黒の時代と思っているので、潔い自民党にはなってもらいたくない。だから、谷垣、石原(伸)、小泉、その他、自民党二世おぼっちゃま軍団よ、福島原発も、1千兆円になんなんとする政府の累積債務も、山積する内外の難問も、すべて2年にも満たない民主党政権のせいにして、管直人の首を狙え!

 そうすればボクの夢=自民党万年野党化計画は着々と現実に近づいていくだろう。

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