大震災から１週間。あの夜ボクは苦心惨憺した挙句、何とか地下鉄で南千住駅までたどり着き、その後２時間かけて亀有まで歩いた。

深夜２時過ぎ、ボクはもうボロボロに疲れ果てていたけれど、デニーズの明かりは煌々と灯っていた。 ドアには『食べ物、飲み物のサービスはできませんが、ごゆっくりお休みください』という手書きの張り紙があり、中ではスタッフが残ってすし詰めの帰宅難民のためにあれこれと世話していた。

ボクは不覚にも泣きそうになった。

 この厳しい経済のなか、デニーズだって一銭のムダ金も使いたくないだろうに。スタッフだって一刻も早く家族の待つ家に帰りたいだろうに。

このブログを書いている１８日現在、原発がどうなるかわからない。最悪東日本には住めなくなるかもしれない。それでもデニーズ南千住駅前店の心があれば日本は負けない。

ボクの母校・青森高校の先輩に太宰治がいて、『津軽』という作品の中で、ある登場人物が「津軽はなぐられるけれども負けないんだ。」という名ゼリフを吐く。

不肖の後輩がパクらせてもらう。

「日本はなぐられるけれども負けないんだ。」

一食500円以内の貧乏ＴＯＥＩＣ講師のボクにとって、デニーズは超高級レストランだ。相当に入りづらいのだが、一食抜けば1000円使える。1000円あれば何か注文できるだろう。

待ってろデニーズ南千住駅前店。朝食を抜いてランチに行き、売り上げに貢献するからな。